【リペア】眼鏡の生産地である鯖江で修理 鯖江市Part.3
目次
使えば使うほどメンテナンスや修理は必要
掛ける楽しさ
相棒とも言える眼鏡。
掛ける理由はいろいろだけど、眼鏡の役目は基本「見える」ということ。
見える=レンズ
そうなんだけど、フレームも大きく関わってきます。
例えば「フレームが変形した!」とか「壊れた!」など、使用していたらありますよね。フレームの変形で目とレンズの中心のズレが生じて見えにくくなったり、下手したら掛けることさえできなくなることも。。
ということは、フレームとレンズで一体となり、「見える」役割を果たしてくれてるということになります。
それに顔の中心にくるメガネ次第で、顔の印象もガラリと変わることも。髪型を変えるように、フレームのカラーを変更してみるのも「掛ける楽しさ」になりますね。
私もメガネをかけると雰囲気が変わるでしょ。
私の名前は「さばえちゃん」です。メガネのアオノ松山店の看板娘なので、以後お見知りおきを(笑)
「必要だからメガネを掛ける」ではなく、「メガネを楽しく掛ける」ことが「長く使うメガネ」になるってことです。楽しく、長く使うメガネであるために・・・そのお話です。
眼鏡は道具
気に入って購入していただいたメガネを、大切に長く使ってほしい
私たちメガネのアオノ松山店の想いです。その想いは年々強くなり、メンテナンスや再塗装などに力を入れています。
鯖江の眼鏡は、良い素材でほとんどを手作業によって作っている。
とお客様に話すと、
じゃ、一生物だね。
と言われます。
鯖江の眼鏡は、確かに壊れにくい。でも眼鏡は道具でもあります。使えば使うほど、修理やメンテナンスは必要になります。
良いものを長く使用していただきたい株式会社リペア
そんな私たちの想いを叶えてくださっているのは、福井県鯖江市の株式会社リペア様です。先日、念願の鯖江市に行き、ご挨拶をかねてお話をお伺いしてきました。
1997年設立のリペア様は、眼鏡枠修理・製造などを中心に腕時計外装修理なども行われています。
めがねの診療所
いつも眼鏡から見えてくる景色を、修理やメンテナンスを行うことで末長くこれからもみることができますように。
そのような想いでされており、修理を受け付けている小売店に「めがねの診療所」という受付窓口を開設され、全国の眼鏡などを眼鏡の生産地である鯖江市で修理・メンテナンスされています。
メガネのアオノ松山店も、「めがねの診療所」として参画させていただいてます。
当店でお預かりした眼鏡の修理をほぼお願いしていますが、実際にどのように修理され当店に届くかを拝見できるのは初めてで”ワクワク”の私です。
メンテナンス・修理の工程
さて、工場の中を見ていきましょう。今回ご案内してくださるのは、営業の寺澤幸夫様です。
商品が届いてから、どのようなメンテナンスや修理をされているのか、その工程を見ていきましょう。
- 商品のデータ管理
- まず、修理などの依頼は一括して管理され、送られてきた商品をデータとして取り込みます。当然のことですが、修理・メンテナンスは、内容や素材によって工程も様々です。この地点で、どのような工程を経てお客様の元へ納品されるのかが決定されています。
金属製からプラスチックの物まで、あらゆる素材の眼鏡の修理を全国から受託され、その数は年間約15万枚(眼鏡業界では、眼鏡を数えるときには「本」ではなく「枚」と数えます)にも及ぶそうです。
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- 修理・メンテナンス
- どの工程をたどるのか決定した眼鏡は、それぞれ修理・メンテナンスに入っていきます。
こちらの修理は、クリングスの外れです。
クリングスって聞きなれませんが、眼鏡を鼻で支えるための役割をしているのが「鼻パット」で、それを支える足をクリングスといいます。
よくると複雑な形をしているでしょう。これは、高さや幅を調整しやすくするためなんですよ。
ロウ付け修理でクリングスを付けます
ロウ付けしたパットアームの表面を磨きます
クリングスが付きました
メッキの下地がむき出しになりますので再塗装を行います
ロウ付け
外れたクリングスは、1,000℃以上の高熱をかけ銀ロウを使う「ロウ付け修理」を行います。そして、高熱によりメッキ(塗装)が焼け焦げ、またロウ付けをしたパットアームの表面を磨くことでメッキの下地がむき出しになりますので、元々のメッキに近い色を調合し再塗装を行います。このロウ付け修理は、とても技術が問われる修理方法であり、熟練の職人がなせる技によりフレームを蘇らせます。
レーザーロウ付けという修理です
レーザーをあててピンポイントで溶接を行います
レーザーロウ付け
他にも、レーザーロウ付けという修理方法もあります。ロウ付けに比べると新しい技術で、レーザーをあててピンポイントで溶接を行うことで、仕上がりがきれいにできます。
これは、コマという部品になります。
この種類の多さにびっくり!そのうえ、一目見て、どの部品を使うのか判断する素晴らしさ!
感動することばかりです。
さて、ここで質問!
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例えば、セルフレーム(プラスチック製)の素材で丁番(テンプルを折りたたみするために取り付けられている部品)がポキッと折れてしまいました。この場合の修理はどうするのでしょうか?
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熱が伝わらない部分(約3㎝)まで裏側の生地をカットします。そして丁番をロウ付けし、カットした所に似た色のアセテート生地を貼り合せて研磨し、形を整えます。
なぜ削るって?セルフレーム(セルロイド・アセテート)の素材の場合、ロウ付けすると溶けてしまうからです。
壊れた部分のみを修理したらいい、という訳にはいかない場合もあります。
当店で修理をお客様からお預かりする際にもご説明はしていますが、実際に修理しているところを見ると、自分の知識として深みがでたような感じがしました。
塗装
話を工場内に戻しますね。
株式会社リペア1専用ラックにフレームをかける
職人が塗装を行います
できる限り元の色に調合しています
ここでは、塗装をしています。フレームを専用ラックにかけて、できる限り元の色に近いカラーに塗装しています。元の色を見極める力、そして1色1色調合する腕は、熟練した職にのなせるわざなのでしょう。
様々なメンテナンス・修理方法
他にも、3Dデータをもとにフレーム作成、プラスチック加工の切削加工、UV印刷など最新設備を取り入れていました。
名入れ
また今回お伺いしたときに、名入れをされていることを知りました。
メガネって自分のものなのに、「自分のもの!」ってわかりにくいですよね。時々、迷子になっているメガネがとてもかわいそうで・・・。それらが解消できるのが、名入れです。
贈りものに、マイオリジナルに、結婚指輪のように相手の名前を入れてペアで・・・いろいろとアイデアは浮かびそうです。
素材により出来ない場合もありますので、まずは当店にご相談ください。
再塗装
フレームの色が剥がれてしまった!
自分の好きな色にしたい!
そのようなお客様のお声に、再塗装も承っております。
もちろん修理の際にする再塗装もありますが、「フレームの色を変えたい!」というときでもOK!自分好みの色に変えてみるのも、メガネをかける楽しさになるはず。
フレームの素材や状態により再塗装ができない場合もございますので、まずは当店にご相談ください。
再塗装はこちらを見てにゃん。
めがねの産地である鯖江市で修理・メンテナンス
眼鏡の聖地と呼ばれる福井県鯖江市は、国内生産フレームの9割以上のシェアを持つ「めがねの産地」です。その鯖江市で、修理・メンテナンスをされている。まさにリペア様の真髄なのではないでしょうか。
手作業ならではの美しさ、機械ならではの精密な仕上げ、そこには「職人が長年培った経験と知識を守り、新しい技術に挑戦する。」そのような想いを感じました。たとえどんなに高精度な機器を揃えていたとしても、それを操作し調整する職人の技が伴っていなければ意味がない。リペアの職人は、メガネ修理の細部の細部まで知り尽くしたプロフェッショナルばかりです。
様々な技術の高さに感動していた私に、
でも、あくまでも修理です。『元通りになおしたい、新品のようなきれいな状態に戻したい』という想いですが、新品にはならないのです。
と切実な想いを語られました。
しかしそこには、「大量生産大量破棄といったモノの使い捨てを辞め、良いものを長く使用していただきたい。」という深い意味が込められているのでしょう。そして、プラス「掛け心地を良くしたい」という、修理だけにとどまらない「使う人、商品」に対する想いが込められていることを感じました。
そして私が感動したことが、もう1つ。若い方や女性が多いということです。
修理=職人=年配の方
というイメージでしたが、そうではなかった。
工具1つにしても、市販のものを眼鏡に合うように、自分に合うように変えて使用する。
そこには、職人の技術や知識が受け継がれ、そしてこれからもそれは続いていく。修理をすることはだけにとどまらず、「どうすればお客様が喜んでくれるか」、その先を考えた熱い想いを感じずにはおれませんでした。
使う人が大切に使えるメガネを売る
多少のフレームゆがみなどは、当店でも行っております。
でも、やはり「餅は餅屋」でしょうか。やはりプロであるリペア様にお願いすることが、最善の道と判断させていただくこともあります。
お客様の現状の眼鏡の状態を適切に判断して、お客様にとって一番いい方法を提案しております。また素材によっても修理できる内容も変わってきますので、リペア様に相談しながら進めています。
新しく便利なものが、どんどんとあふれ返るこの世の中に「めがねの診療所」がある。
「メガネを売る」だけでなく、「使う人が大切に使えるメガネを売る」という大切さに改めて感じることができました。
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